本ブログの方向性について
ブログを開始して10日が経ちました。いろんなジャンルの記事を書いてみましたが、ちょっとずつ書き方や伝え方に慣れてきたような気がいたします。
やはり思考をアウトプットして、読者に伝えるというのは楽しい作業なので、今後も記事を書き続けようと思います。
ブログの方向性
試しにブログを始めてみて、記事を書く中で、このブログをどういった方向にしようかと考えてきました。その中で、やはり自分の思考を文書化しておく、という行為にとても大きな価値を見出しました。書くことによって思考が明確化するし、記憶されるし、自分の能力や知識不足を認識できます。
ということで、僕はこのブログを
思考の貯蔵庫
(画像は本ブログのイメージです。)
と考え、思考・アイディアの貯蓄、発酵、醸造の場所にしたいと思います。
まず、思考を仕込み、記事として公開する。それから一定期間後に見返して、思考が醸造された段階で、更新、もしくは新たに書き直す。このプロセスを経ることで、そうして自分の考えを醸成していこうかと思っています。
これは僕の尊敬する外山滋比古先生の『思考の整理学』を参考にしています。
コメントを頂いて、僕の思考を醸成する手助けをしていただけると、とっても嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。
書いていきたいこと
本ブログは、主に自分の書きたいことを書いていくスタイルで行きます。ジャンルは以下のようなものを想定しています。
・企業に勤めるPh.D.持ち研究者としての想い
・博士課程の学生に向けた話
☞博士の進路選択
☞学振DC、海外学振PD、奨学金などの取り方
☞Tips
・自分の哲学、社会に対する考え方。
・サンゴを含む環境問題に関する記事
・雑記(面白いことを5年後も忘れないために)
その他、増えるかもしれません。
さらに目指すべき形
ブログを通して、社会に何かしら貢献できれば、というアウトリーチ活動をしたいと思っています。最先端テクノロジーの共有だったり、あまり知られていない大きな問題を喚起したり、面白い本を共有したり、という形です。
まだそこまで欲張れるほどの記事は書いていませんが、ゆくゆくはそういうところを見据えていきたい。
令和元年六月十日
【完結】先輩に誘われて久しぶりに会ったら、アムウェイだった話⑤
前の記事もどうぞ↓↓
最初から読むなら↓↓
先輩に誘われて久しぶりに会ったら、アムウェイだった話① - 社畜Ph.D.のブログ
前の記事のあらすじ
胡散臭い先輩とギャル姉ちゃんに挟まれ、小一時間勧誘を受けたrhizobium。そして、どうしても勧誘したいギャル姉ちゃんから、
僕が6年間心血を注いで頑張ってきた研究が、「アムウェイと同じだね」と評され、これまで愛想笑いを続けてきた僕もイラっとしてしまった。
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彼女「君の研究は、アムウェイと一緒だ!アムウェイも人と人とのつながりを作ってみんなで支えあいながら仕事をしてるんだよ(#^.^#) そういう研究してたんなら絶対相性いいよ!!」
ぼく「いや、さすがに違います!さすがに一緒じゃないです。」
彼女「でも、微生物も人も生き物だし、みんなつながって支えあってるんだよ(^^♪ すごいと思わない?」
先輩「そうやねん、本質的にはみんなつながっとんねん。微生物も、植物も、人も!み微生物もみんな仲良くつながってるし、俺らも人脈というネットワークでつながってんねん」
ぼく「そこ一緒にするんやったら、なんでもありですやん。」
先輩「そうや、なんでもありや!だから面白い。」
ああ言えばこう言う、っていうのはまさにこのこと。非論理とか矛盾とかを全く恐れず、ただその場にあった返答をしているだけ。
アムウェイの中のカルト的な考え方に沿って会話が成り立たせることだけに努力値を全振りしている。
正さねばならない!
最低限自分というものを守るために、主張せねばならない!
僕のターン!
ぼく「あなたたちの言いたいことはだいたい分かりました。でも、これだけは言わせてください。
まず、僕の研究はアムウェイのビジネスとは似てません。植物と微生物の関係を、人と人のつながりのアナロジーとして見るのが適してない。「つながり」という言葉をすべてアムウェイと結びつける思考は、やりたい放題だし気に食わない。
そして僕の研究はちゃんと実験的に証明する科学の分野の仕事なんです。先輩のさっきからの説明を聞いていると、アムウェイの商品を科学的に説明できていない。印象だけで説明しようとしてる。それは、僕にとっては商品が科学で裏付けされていないと言っているのと一緒です。
そういったものに僕は魅力を感じないし、買いたいとも売りたいとも思わない。
すいませんけれども、僕はアムウェイの会員になるつもりはないです!
ついでに言わせてもらうと、さっきから、別に僕の話に興味はなくて、アムウェイと結びつけれたらなんでもいいと思ってるんじゃないすか?」
言ってやった!
実はこの話の前から、
①学生時代野球をしてた → チームワーク → アムウェイと一緒
②ジムに行ってる → スポーツサプリ → アムウェイの商品
③海外によく行く → グローバル → アムウェイ
・・・
みたいに、僕の話題をすべてアムウェイに持っていってたんです。もう、なんでもアムウェイにつなげちゃう。
キーワードを言ったらすべてアムウェイにつなげるアムウェイ芸人みたいになってたんですよ。その辺は笑って過ごせてたんですけど、僕の大事にしている研究をアムウェイをとつなげられると、我慢できなかった。
喧嘩になるかもしれないけど、もう仕方がない。
そう思って、覚悟した。
先輩「短時間でそれだけ分析できるなんてすごいな!さすが、博士だけあるわ!」
え、思ってたんと違う(;´Д`)
ぜんぜん効いてない!?
彼女「なんか聞いてると、すごいロジカルですごいねー(^^)/」
先輩「確かに俺の説明が不十分やったんかもしれん。でも博士のrhizobiumなら俺よりもっとうまく説明できると思う。そういう科学の視点持ってる人は貴重やから、俺らも成長できるし、ぜひ一緒にやりたい。」
この人たち、レベルが違う。
ぼくの失礼な言動も、広い心で受け入れた上で、さらにまだ勧誘してくる。すごい信念。会社の上司がこんな人ならいいのに。
もし出会うところが違っていれば、めっちゃ仲良くなれたかもしれん。素直にリスペクト!
でも会員にはなりません!
ぼく「なんかありがとうございます。でも、僕にはやりたいことがあって、それはここではできないことなんで、お誘いには乗ることができません。」
先輩「そうかー。もったいないな。」
彼女「会員にならなくてもいいからさ、パーティーは来なよね('ω')」
ぼく「機会があれば。。。(本日何度目?)」
こうして、アムウェイ本社での攻防は無事終了した。カフェはおごってもらい、さらに駅の近くまで送ってもらって、お別れしたのであった。彼女さんは、最後までパーティに誘ってきた。
山手線に乗り、今日の出来事を思い出しながら、泣く泣く先輩のLINEをブロックして、この話は幕を閉じたのであった。
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ということで、2年前の実話でした。
皆さんももし誘われたときは、心を強く持って自分の主張をしましょう!全く主張を聞いてもらえないことを実感すると思います(笑)
まぁ、嫌なことに誘われたら、即断るのが一番です。僕が言えることは一つ、
渋谷のカフェには気を付けて!
(終わり)
先輩に誘われて久しぶりに会ったら、アムウェイだった話④
前の記事もどうぞ↓↓
煌びやかなギャル姉ちゃん(先輩の彼女)が現れ、すぅーっと私の隣に座る。
やられた、囲まれた!!
ここで、丸テーブルに
ーーーー窓ーーーー
僕
先輩 〇 彼女
というフォーメーションが出来上がった。最初に窓際に通されたときからこの形を想定していたのか!?先輩も真正面から右隣へ自然に移動している。
本社に潜入するときに、勧誘されるシミュレーションをしていたのが、囲まれる想定はしていなかった。完全に向こうの戦略が一枚上手である。完全にしてやられた。
怖いので、不機嫌なレスポンスも出来ず、真面目に受け答えをするしかない。。
彼女「こんにちは(^^♪ rhizobiumくん!」
ぼく「こんにちは。」
先輩「彼女は世界的に有名な写真家、××さんの娘さんで、俺と一緒にこの仕事してくれてるパートナーや。」
彼女「よろしくね('ω')」
先輩「めっちゃ美人やろ!!アムウェイに入ったら人脈が広がって、こんな美人とも知り合えるんやで」
ぼく「へ、へぇ~」
いや、三流雑誌の裏表紙の広告か!!
※実際にはいかつい兄さんとギャル姉ちゃんに囲まれて、怖くてずっと愛想笑いしてます。。。
先輩「こいつな、俺の後輩で、大学で博士号をとったんや。」
彼女「博士って?大学の先生ってこと?すごーい!!」
ぼく「いや、まだ博士になりたてで、それと会社勤めの青二才です」
彼女「〇〇(先輩)の後輩ってことは、関西から出てきたの?じゃあ、これから東京でいっぱい遊べるね(^_-)-☆」
ぼく「そうなんです。右も左もわからず、ちょっとずつ慣れていこうかと」
彼女「じゃあ東京に友達もまだまだ少ないんでしょ('ω')」
ぼく「ちょこちょこ出来てきましたが、まだ少ないですね。。。」
彼女「じゃあさ、今度山中湖でパーティするから、来なよ(^^)/」
先輩「そうや、めっちゃ人脈広がるし、楽しいで!!招待するわ!」
おっと、この流れ、ヤバくね??
この界隈の人は、パーティと人脈で生きているらしいということは、方々から聞いていた。だが、出会って数分で誘われてしまうとは。。。恐るべし。
しかももう、定型文が決まっていて、パーティに誘う流れは最初から決まっていたに違いない。確実に、百戦錬磨で数々の素人を勧誘していった流れである。
しかも、山中湖のパーティーなら絶対泊まりの企画。これ、行ったら洗脳されんちゃう?
ぼく「え、いつくらいですか?(話を合わせてみる)」
彼女「直近では今月末だよー(^^♪」
ぼく「今月末は忙しいんですよ。また機会があればってことで。。」
彼女「あ、今月厳しいんだ!じゃあ、来月の中旬は??(^^♪」
ぼく「来月は釣りのシーズンなので、ほとんど休日はいけないですね。また機会があればってことで!」
彼女「来月も厳しいかー!年末はどう??(^^♪」
ぼく「年末はほとんど実家に帰ってますねーー。また機会があればってことで!!!」
彼女「おっけー!じゃあこれからのパーティーの予定連絡するね(^^♪ 絶対来てね(^^♪」
まるで効いていない。
京都では、「また機会があれば」というのはやんわり断る手法である。これを言われたら引き下がるのが礼儀でもある。僕もこれまで何度となく使ってきたし使われてきた。文化が違う。もしくはメンタルの強さが違う。正攻法では勝てない。
そして、まだまだ相手のターン
彼女「ところで〇〇(先輩)から聞いたけど、君、うちの会社に興味あるんだって?」
ぼく「え??」
先輩「rhizobiumは博士やし、よう勉強してるから、アムウェイの良さは十分理解してくれたと思う。」
ぼく「いや、ちょっ」
お前みたいな奴がうちの会社で働けば、お前も自由になれるし、会社にとっても有益や。ほんまに心からオススメするわ。」
なんかちょっと強引感出てきた。話も噛み合ってないし。
多分なんですが、これ、心理学的には洗脳方法の一種なんですよね。まるで僕が興味があるような前提で話を進めて、それでどんどん話を進めていく。しかも置いてけぼりにはしてくれず、上手くところどころでレスポンスを求められる。
そのうちに、僕がもともと興味があったかのように思えてくる。こんな感じのが15分くらい続きました。
先輩「ほんとオススメやし、俺に連絡してくれれば、いつでも会員にしたるから。権利収入を得て一緒に幸せな人生を送ろうぜ!!」
ぼく「まぁ、考えときます!(京都人の断り)」
それから話題は変わり、、、
彼女「rhizobium君で大学の時どんな研究をしてたの?難しくてわからないかもしれないけど、教えてよ(^_-)-☆」
ぼく「大学では、植物と微生物の共生について研究してました!」
彼女「え、そうなの!?すごい、植物って微生物がいないと育たないんでしょ。前テレビで見たよ!植物と微生物がつながりを作ってやり取りしてるんだってね!(^^♪」
彼女「じゃあ、アムウェイも一緒だ!アムウェイも人と人とのつながりを作ってみんなで支えあいながら仕事をしてるんだよ(#^.^#) そういう研究してたんなら絶対相性いいよ!!」
は??
めっちゃ不快なんですけど。
流石に一緒にされるのはイヤ。僕にも真面目に研究してきた自負がある。
ここから、僕の反撃が始まる!!?
次の記事で完結です↓↓
先輩に誘われて久しぶりに会ったら、アムウェイだった話③
前の記事も置いときます。
開戦のゴングーーー
先輩「amwayってさ、権利収入やから、かなり自由時間も持てるし、めっちゃええで」
ぼく「権利収入??」←一応食いついてみる。
先輩「あんまり知らないよね。。権利収入っていうのはーーー。ディストリビューターはーーー。年収としてはーーー。」
そこから、amwayの制度の話が止まらない!!!話が上手いのでわかりやすいけど、そんなに興味はなかったからあんまり頭に入ってこない!なんでそんなに長く語れるんだ。僕はそこまで聞いていない。。。
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とりあえず要約すると、Amwayでは、
購入者Aが新たな購入者B, Cを勧誘し、その相手に販売する事で手数料を得るという形が、多段階式に連鎖する。そして、購入者B, Cがさらに購入者D, E, F, Gに売れば、購入者B,Cに利益が分配され、一部は購入者Aにも分配される。ここで、一番得するのは元締めのAになっている。図解すると下図のよう。
一見ねずみ講と同じビジネスモデルに見えるが、ねずみ講はの商材の価値が価格と大きくかけ離れているビジネスであり、この会社は良いものを正しい価格で売っているのでそれとは異なるとのこと。法律で定義されている。
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先輩「俺の場合、プラチナランクやから年収は2000万円くらい。ダイアモンドランクまで行くともっと行く。」
ぼく「すごいっすね。そんないっちゃうんすか!」
先輩「やろ、rhizobiumも話上手いし、博士やし、やったら俺くらいまではすぐ行くと思う。だからやってみーへんか?」
僕は正直、お金は欲しい。でもお金を貰えたらやりたくない仕事(僕は営業とはめっちゃ苦手)でもやる、という性格なら、博士課程まで勉強しに大学いってません。
ぼく「でも、この会社でやりたい研究はできないんですよ。」
先輩「いや、この会社は天国や。やりたいことできるし、人ともつながれるし、いろんな有名人とも知り合いになれる。お金稼いで、ここでできたコネを使って、自分で研究所を持つのが俺の夢や。」
先輩「ほんまにこの会社すごいんや。ーーーー」
(以下要約)
・一兆円企業ですごい。
・ACミランのスポンサーとか、いろいろやってる。
・先輩は、J soul bros.と知り合い。
・オリンピックの前に、体操の内村に言葉を授けた人もamway
・世の中のすごい人は大体amwayやってる
・あのひともこのひとも(大体知らない)
ちょっとここで、先輩の目が輝きすぎて怖さを感じた。なんか完全に心酔している人って怖いよね。目が焦点あってないというか。。。しかも見た目はいかつい陽キャのお兄さん。
そこから、商品の話に入ってくる。
先輩「ニュートリライト(amwayの商品)は、ファイトケミカル(※)がいっぱい入っているからすごい。ファイトケミカルの100万種とかが入っているサプリメントはほかになくて、世界一ぶっちぎりのサプリメント!」
※ファイトケミカル:植物由来の物質のごちゃまぜ。植物由来なら何でもいい。一種のバズワード。
ぼく「でも、100万のファイトケミカルが入っているから体にいい、っていうエビデンスないですよね?あと、今の分析化学で100万種って分析できないでしょ。」
先輩「いや、いっぱいエビデンスあるよ、調べてみ」
ぼく「いや、ないですって。ちゃんとしたデータないと信じれないです。」
先輩「会社のデータやから公開できない部分が多いけど、段違いにきくんやで。」
そして、見せられたのがこの写真。
幼いころに生き別れた双子で、左がアムウェイをやっている家庭に引き取られた子、右がやっていない家庭に引き取られた子。
先輩「50年経ったら若さが全然違うやろ。これがニュートリライトの効果や」
あ、この人サイエンスを知らん。議論しても無駄や。
科学的には以下の問題点があげられます。
①たった一組の双子で比べた極端な例を持ってきているだけ。(サンプルサイズの問題)
②アムウェイをやっている家庭はそれなりに金持ちで、健康・美容・食品など様々な気を使える。もう一方は貧しい家庭で苦労されたのかもしれない。前提条件が違うのに比較対象としてはいけない。(比較条件の問題)
③そもそも一卵性双生児とも言っていないし、双子かも怪しい。(信用性の問題)
この人、科学を分かってない。たぶん馬鹿をだますようなデータを全部信じているタイプのひと。そういうのが一番嫌い。
先輩「amwayはほんましっかり研究しているから」
百歩譲ってそうだとしよう。でもあなたはわかってないよね。それなのにわかっているふりするよね。そういうのが一番胡散臭いんやで。
ここで私は完全に彼の言動への興味を失いました。
そのあとも、議論を試みたが、非論理的に返されるので、こちらももう対応できない。キリスト教原理主義者に進化論を教えるようなもの。噛み合わない。
しかし、ここで終わらない。
先輩「そういえば、紹介したい人がいて」
先輩「〇〇って知ってる?世界的に有名な写真家で、」
先輩「その人の娘が、俺の彼女やねん。待たせてるから呼ぶわ。」
ぼく(えっ、いらん。。。)
そういって現れたのは、羽が生えてる帽子を被った、がっつりメイクのギャル系姉ちゃんなのであった。
次の記事↓↓
先輩に誘われて久しぶりに会ったら、アムウェイだった話②
前の記事↓↓
「!??????????」
え、まさか。。。
と鳩が豆鉄砲を食ったような感じである。
落ち着け、と自分に言い聞かせ、あたりを見渡し、他のカフェを探した。2~3分くらいは探しただろう。でも、それらしいものはない。
察しは悪いほうではない。歩きながら、自分を落ち着かせ、
「そういうことか。。。」
と観念した。
知らない方に説明するが、アムウェイとはアメリカの日用品企業である。その独特のセールススタイルで有名であり、連鎖販売取引という販売方式をとっている。「マルチ商法」「ねずみ講」と評されることもあるが、アムウェイの人の話によると。実際のところそういった悪徳商法とは違うらしい。
都合が悪くなったと言い訳して帰ろうかな、とも思ったが、
僕は博士、好奇心の塊である。
まず、1分かけてamway勧誘だった場合のシミュレーションをしこたま行った。
そして、こんなチャンスは滅多にない、絶対行くべきだ!という好奇心と怖いもの見たさをモチベーションに、勇気を出して、本社に足を踏み入れた。
本社に踏み入れると、一階はおしゃれなカフェだった。そして、なんか若くて陽キャラっぽい奴や、マダムおばさんの多いこと多いこと、
なんでこんなに流行ってんねん!と思いながらも、カフェで先輩を探す。しかし一周回ってみたものの、先輩は見つからない。
なにこれめっちゃ心細い。。。
なんか、場違い感というか、全く知らない人の輪に飛びこんだような感覚。すごくぞわぞわする。
そこで、電話をかけると、すぐに繋がり、今カフェにいるとのこと、
ホッとして周りを見渡してみると、なんか立ってこっちに手を振っている男がいる。
!?
僕の記憶とは異なる、
髪の毛盛り盛り、アクセサリじゃらじゃら、室内なのにサングラスの胡散臭い男がそこに立っていた。
ぼく「〇〇さん??」
先輩「おお、rhizobium!めっちゃ久しぶりやん」
ぼく「めっちゃ見た目変わりましたね!」
先輩「そりゃ5年ぶりやからな」
この時点で、僕をかわいがってくれた先輩を忘れ、潜在的敵対者としてのアムウェイ勧誘マンと認識した。
ぜったいに勧誘されない!
他愛のない会話もたいがいに、席に着き、話が始まる。
ぼく「やっと卒業できて、今関東なんですよー」
先輩「博士取得お疲れ様、今〇〇株式会社で働いてるんやってな」
なぜ知っている?????
ぼく「そうなんすよ、なんで知ってるんすか」
先輩「いや、それより、喉乾いてるやろ、ジュース買っといたからこれ飲み」
そう言って手渡されたのは、amwayが出しているMonsterみたいなエナジードリンク
説明としては、ノンカロリーのエナジードリンクで、ビタミンB12がRedbullの100倍以上入っている。そして、レッドブルよりエネルギーになるらしい。
なんか消防車の消化活動に例えていたけど、分かりづらくて、完全スルー。てか、砂糖入っていない時点で、エネルギーにならんやろ、糖代謝されなくね?何を言っているんだこいつ、状態。
さらにビタミンB12が脳に効くので、めっちゃ脳が働くらしい。そんならこれを飲んで、頭働かせてアムウェイを客観視できるようになったほうがよいのでは???
で、飲んでみると、めっちゃスクラロース(※)の味。まずっ!
※スクラロース = 人工甘味料、後味が悪い。カロリーゼロとかに入ってる。僕はめっちゃ嫌い。
ぼく「めっちゃスクラロースの味しますね!」
先輩「さすがrhizobium!博士ともなると化合物までわかるんやな」
いやいや、遠回しにまずいって言ってるんやで?
ぼく「〇〇さんは今、何をなさっているんですか?」
先輩「卒業してから半年は××大学で研究員してたんやけど、そっから辞めてamwayやってんねん」
ぼく「そうだったんすね」
この先輩、M2の卒業間近にいろいろややこしいことがあって博士課程進学を辞めると言い出したのだが、教授の面倒見の良さで、大学に研究員の職を見つけてもらっていた。それなのに、半年でやめたのである。教授の面汚しやん。
そして、ついに開戦の合図が鳴る!
先輩「amwayってさ、権利収入やから、かなり自由時間も持てるし、めっちゃええで!」
次の記事↓↓
先輩に誘われて久しぶりに会ったら、アムウェイだった話①
これは、僕の大切な先輩が勧誘マンに変わってしまっていた話である。
僕がやっと新社会人となり、関東圏に引っ越して間もなくのこと、毎年メールをくれる先輩から、
「お誕生日おめでとう、関東に来たんやって?今度飯でもどう?」
とお誘いがあった。
この先輩、僕の研究室の2つ上の学年で、先輩はイケメンで、話も上手く、人当たりもよかった。一緒にソフトボールをしたり、飲みに行ったり、研究について語り合ったり、非常に仲良くして頂いた先輩であった。
先輩が卒業して以降、なかなか予定が合わず、全く会えていなかったが、誘っていただいたので、
「ぜひ!!!」
と二つ返事でOKした。
(今先輩はどんな仕事をしているんだろう?)
(5年もあっていなかったから、変わってるかな?)
とワクワクしながらLINEをつなげ、予定合わせをした。
LINEをしながらわかった事としては、
・先輩が人を幸せにする仕事をしている
・いろんな人に会ってモノを売る(営業職かな?)
・人とのつながりが広がって、とても充実した人生を送っている
ということであった。
やっぱり先輩は人当たりもいいし、話も上手いし、そういう仕事が向いているんだろうな、とても充実しているそうでよかったと思い、
積もる話もあるから丸一日予定を開けて、夜ご飯まで行こう!!
という意気込みで、待ち合わせ場所に向かった。
予定合わせをしているとき
「10日の14時に、渋谷に俺の取引先のカフェがあるから、そこで会おう」
と言われ、渋谷NHKホールの前のカフェを指定された。そのとき、食べログやぐるなびのHPではなく、Googleのピン止めしてある画像が送られてきたことに、少し疑問を感じたのだが…
そして当日、渋谷駅で降り、そこから10分くらいかけてからその地図の場所に向かった。
どんな場所でお茶するのかな、とワクワクしていた。取引先って行きつけのおしゃれなカフェかな?
しかし、見えてきたのは想像していたカフェではなく、
と、でかでかと書かれたオフィスビルであった。
次の記事↓↓
博士の就活が不安な人へ
博士の就活って大変ですよね。周りになかなかいいサンプルがいないし、研究室で就活している博士は一人だけ、なんてことがほとんどでしょう。就活という情報戦の中で、情報がないまま丸腰で戦うのは非常に危険。博士の就活失敗は大体情報不足です。
今回、まだ切羽は詰まってないけれど、就活が不安な博士に向けて記事を書きたいと思います。
切羽詰まっている人は、下の記事へGO↓↓
目次
博士の就活はいつ始まるの‽
もし21年度卒であれば、今年の19年12月には始まっています。博士課程の就活に関しては経団連の就活指針に該当しないため、6月一斉解禁なんてことはないです。博士をたくさんとる化学系メーカーとかは、博士の採用スタートを12月くらいに始めて、2~3月には内定を出していますね。一方で食品系とかは、修士と同時に採用を始めたりします。まちまちです。
僕の場合は、就活の開始時期がわからず、気づいたときには化学系メーカーの博士採用は終わっていました。なので修士とともに受けました。その時にはほぼ博士枠が埋まっているので、厳しい状況でした。
一方で、修士と同時に採用を始める会社には、一次面接の後に即内々定をもらったりしました。博士なので、いつ採用してもよいみたいです。
あと、結構聞くのが、中途採用の枠で採用に進む博士です。企業側からしたら、別に中途採用の枠でも全く問題ないです。その場合、入社時期が違ったり、新入社員研修なんかをすっ飛ばして、いきなり配属されることも多いとか。ほとんど通年採用みたいなものですね。
博士の採用は、時期も人数も企業によってまちまちです。来年・再来年あたりに就活を控えていて、行きたい会社があるなら、わからないことは会社の採用担当に問い合わせて聞きましょう。企業側はWelcomeですので、聞くことが大事です。
博士の就活はどう始める?
行きたい企業が決まったら、まず会社のHPから募集要項を確認しましょう。博士を採用すると書いてない場合も多いですが、わからなければ即問い合わせです。
修士と一緒に始まる企業に関しては、リクナビ・マイナビに登録してエントリーするのもいいです。アカリクは博士に特化しているので良いです。でも最近は、就活時期に各企業が採用HPを用意するのが当たり前なので、各就活サイトに登録することが必須でないです。私は登録せず、地道に各企業のHPを巡りました。
とりあえず、前年10月には準備を始めましょう。自己分析と企業調査に最も時間を使います。何がしたいかは明確な方が多いですが、企業調査が甘いことが多いです。調査のためにOB訪問もよいでしょう。
就活の進捗管理は、表などを作ってしっかりとしましょう。ESの締め切りとか、面接日程とか、いつ連絡がきたとか、通過したとか落ちたとか。あなたの役に立つだけでなく、後輩の役に立ちます。
コネは必要?
コネはあるに越したことはないです。コネは身を助けます。私も、共同研究した人や、同じプロジェクトに関わった人に、「君がうちの会社を目指すなら口利きするからいつでも言いなさい」と言われました。特に経営層クラスの方なら本当に人事権を持っているので、口利きがあれば内定と同義です。マネージャークラスの方なら、ES通過くらいはしてくれます。
結局コネは使いませんでしたが、保険があったおかげで安心して就活をすることができました。
これがあれば潰しがきく!
もし大した業績がなくても、これがあれば潰しが聞く、というものがあります。それは
「英語力」
です。やっぱそうなんです。TOEIC 990の知り合いは、博士の業績がほぼゼロでしたが、超一流の外資系製薬企業に行きました。マジでうらやましかったです。
私はTOEICを受けたことがなく、英語が苦手なので、この手は使えませんでしたが、もし博士課程の間に業績が見込めないなら、英語力の取得に努力値全振りはありですね。Berlitzなんかに通って課金すればよいでしょう。
ということでいかがだったでしょうか。博士の就活の始め方がわからないっていうひとは参考にしてください。なかなか情報がないので、大変だと思いますが、その中でも情報を集めて就活を成功させていただければと思います。ちょっとでも応援になれたら幸いです。